陰茎プロステーシス手術

男性にとってEDは決して珍しい病気ではありません。なかには「恥ずかしいから病院に行きづらい……」と考える方もいると思いますが、原因が複雑で自己判断が難しいため、EDに悩んでいる方は専門の医療機関に相談することをお薦めします。

最後の治療法として知られているのが「陰茎プロステーシス手術」です。手術を検討している方の中には「具体的にどんな手術なの?」「リスクはある?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、はじめに陰茎プロステーシス手術とは何なのか、EDの原因や他の治療法についてもお伝えします。最後に手術の流れや費用なども紹介しますので、手術を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

陰茎プロステーシスとは?

まずは、陰茎プロステーシス手術とは何なのか解説していきます。

どのような手術なのか?

陰茎プロステーシスとは、プロステーシスという棒状の人工物を陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)の中に移植する手術です。陰茎海綿体とは、正常の勃起時に血液が充満する場所を指します。

手術後は必要なときにだけ勃起を実現でき、満足度の高い手術です。勃起させる方法はプロステーシスの種類によって異なります。

年齢による制限はなく、80歳後半で手術を行っている患者様もいらっしゃいます。ただし、本手術は他のED治療では効果がないとき、適応外のときに行われる最後の治療法です。

プロステーシスの種類

手術で使うプロステーシスには次の2種類があります。

①ノンインフレータブルタイプ
②インフレータブルタイプ

手術が成功すれば、どちらも100%に近い確率で性行為が可能です。それぞれについて詳しく解説していきます。

種類①ノンインフレータブルタイプ

棒状で曲げ伸ばして使うタイプのプロステーシスです。
通常時はプロステーシスを折り曲げ、性行為時のみ伸ばします。ご本人さまやパートナーも操作がしやすいタイプです。

種類②インフレータブルタイプ

ポンプを操作して水を移動させるタイプのプロステーシスです。水を貯めるタンク(リザバー)は腹部に、ポンプは陰嚢に、シリンダーは陰茎海綿体に入れていきます。これら3つの装置は丈夫な管でつながっています。

性行為時にポンプを絞ると、滅菌水がリザバーを通ってシリンダーに移動します。このプロセスによって勃起を実現する仕組みです。

性行為後は、ポンプのリリース弁部分を押し、陰茎を握って水をリザバーに移動させます。若干の技術が必要ですが、ノンインフレータブルタイプよりも自然な勃起状態を実現できます。

EDの原因と治療の種類

EDが起こる原因と適切な治療法は人によって異なります。
ここからは、EDの原因と治療の種類について解説していきます。

EDの原因は大きく4タイプ

EDの原因は大きく次の4タイプに分かれると言われています。

①心因性
②器質性
③混合型
④薬剤性

それぞれについて詳しく解説します。

EDの原因①心因性

精神的なストレスによるEDを心因性EDといいます。ストレスの原因は人によってさまざまです。性行為でうまくいかなかった経験がトラウマとなるケースも珍しくありません。「またうまくいかなかったらどうしよう……」と考えたり、パートナーから不満の言葉をかけられたりすると大きなストレスになります。

また、夫婦関係や仕事などの日常的なストレスもEDの原因になるでしょう。自分では自覚せずにストレスを抱えているかもしれません。心因性EDは20〜30代の男性に多くみられます。

EDの原因②器質性

神経系あるいは血管系の障害によるEDが器質性EDです。片方、もしくは両方が原因となっているケースもあります。

神経系によるEDの原因には以下のようなものがあります。

  • 脳出血
  • 脳腫瘍
  • 脳外傷
  • 脊髄損傷
  • てんかん
  • パーキンソン病
  • アルツハイマー病

神経が何らかの障害を受けると、勃起の信号が伝達されないためEDが起こります。

また、血管系によるEDの原因には以下のようなものがあります。

  • 加齢に伴う動脈硬化
  • 糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病
  • 脂質異常症

血管が何らかの障害を受けると血流が悪くなり、陰茎海綿体に十分な血液が流れないことでEDが起こります。50代以降の男性に多くみられるのが特徴です。

EDの原因③薬剤性

服用中の薬剤の副作用によるEDが薬剤性EDです。降圧剤や抗うつ薬、精神安定剤、睡眠薬などを服用していると、副作用でEDになる可能性があります。薬を始めてからEDの症状が現れても、自己判断で薬を止めず、まずは医師に相談してみましょう。

EDの原因④混合型

ここまで、心因性EDと器質性ED、薬剤性EDについてお伝えしてきました。これら複数の要素が同時に原因となっているEDを混合型EDといいます。

糖尿病などの病気に精神的なストレスが合わさってEDになるケースや、薬剤の副作用によるEDがきっかけとなり精神的なストレスと合わさるケースもあるでしょう。

このように、複数の要素が複雑に絡み合ってEDが起こっているケースは多いです。

ED治療の種類

EDには以下のようなさまざまな治療法があります。

  • ED治療薬
  • 陰茎海綿体注射
  • 陰圧式勃起補助具
  • 男性ホルモン補充療法
  • 陰茎形成術
  • 血管手術

心因性EDの場合はED治療薬で改善できますが、神経や血管に障害がある器質性の場合は薬が効かないことがあります。

陰茎プロステーシス手術は、ED治療薬や陰茎海綿体注射、陰圧式勃起補助具でも効果がない場合に行う最後の治療法です。

陰茎プロステーシスのメリット・デメリット

ここからは、陰茎プロステーシスのメリットとデメリットについて解説していきます。手術を検討する参考にしてみてください。

メリット3つ

メリットは次の3つです。

①性行為の満足度を取り戻せる
②日帰り手術が可能
③ランニングコストが低い

それぞれについて詳しく解説します。

メリット

メリット①性行為の満足度を取り戻せる

手術が成功すると、満足度の高い性行為が可能です。勃起の持続をコントロールできるため、雰囲気を壊さずに自然な流れで性行為ができます。1度手術を受けると、年齢などに関わらず必要なときにいつでも勃起が実現します。射精やオーガズムの障害にはなりません。

メリット②日帰り手術が可能

ノンインフレータブルタイプであれば、局所麻酔で日帰り手術ができます。手術は比較的簡単なので手術時間は1時間程度です。陰圧式勃起補助具や陰茎海綿体注射と違って、吸引したり針を刺したりする手術ではないため、痛みもほとんどありません。従来は重度の糖尿病患者の方はED治療が難しいと言われていましたが、技術のある医師のもとであれば、日帰り手術が可能です。

メリット③ランニングコストが低い

ED治療薬や陰茎海綿体注射を長年続けると、通院する度にコストがかかります。一方、陰茎プロステーシス手術は手術代のみで、薬代や通院費はかかりません。

デメリット3つ

デメリットは次の3つです。

①膀胱鏡検査などで障害になることがある
②費用が高い
③感染リスクがある

それぞれについて詳しく解説します。

デメリット

デメリット①膀胱鏡検査などで障害になることがある

膀胱がんなどで膀胱鏡検査を繰り返し行う場合、検査の障害になることがあります。
MRI検査には影響がありません。

デメリット②費用が高い

保険適用がないため費用が高額です。医療機関や移植するプロステーシスの種類によって異なりますが、手術費用・検査費用・プロステーシス費用・麻酔費用を含めておよそ100万円〜が一般的でしょう。海外から取り寄せるプロステーシス費用だけでも費用がかかります。EDに悩むことはなくなりますが、経済的な負担があるでしょう。

デメリット③感染リスクがある

異物を移植する手術のため、感染リスクもあります。特に糖尿病のコントロールができていない方はリスクが高いです。感染した場合は摘出する手術を行います。

技術のある医師であれば、糖尿病のコントロールができていない方でも感染リスクを抑えた手術が可能でしょう。感染リスクを抑えるためには医療機関選びが重要といえます。

陰茎プロステーシス手術について

ここからは、銀座リプロ外科で行っている日帰り陰茎プロステーシス手術についてお伝えします。当院で使用するプロステーシスは、ノンインフレータブルタイプです。

手術の流れ

まずは、陰茎プロステーシス手術の流れです。手術前・手術中・手術後に分けて解説します。

手術前

手術前にやることは以下のとおりです。

  • 診察、問診
  • 陰茎海綿体注射のテスト
  • 血液検査
  • 糖尿病検査

当院では、すべての可能性を考慮するため無理な手術はお薦めしておりません。これまで手術希望で来院された方のおよそ半数が、陰茎海綿体注射で効果が出ており注射での治療を継続されています。

陰茎海綿体注射で効果が出ない場合は、手術を検討します。

手術を受ける場合は、前日または当日の朝に電気シェーバーでの剃毛をお願いしています。お食事はご予約時間の3時間前に済ませましょう。

手術中

手術時間はおよそ1時間です。局所麻酔で日帰り手術を行なっています。医師とお話をしながらリラックスした状態で手術をお受けいただけます。

手術後

手術後はしばらくの間、生活にいくつかの制限がかかります。

【翌日から】 シャワーが可能です。
【10日後から】 入浴、飲酒が可能です。
【1ヶ月後から】 自慰行為が可能です。
【2ヶ月後から】 性行為が可能です。

ご不明な点があれば医師にお気軽にご相談ください。

費用

手術費用は保険適用外です。
手術の曜日や時間帯によって費用が異なりますのでご注意ください。
亀頭の安定と陰茎の太さを改善したい場合は、陰茎補強用プロステーシスの追加移植ができます。


手術費


55,0000円


材料費


350,000円


麻酔費


22,000円


陰茎補強用プロステーシスの
追加移植費


220,000円(同日の場合)


330,000円(別日の場合)


土日・祝の追加費用


22,000円(1.5時間枠毎)


時間外(17時以降)の追加費用


110,000円(1.5時間枠毎)

合併症のリスク

手術の後は、感染・びらん・器具の故障が発生する可能性があります。再手術を受けないためにも、手術を行う医療機関選びが重要です。

銀座リプロ外科で手術を担当する永尾医師は、すでに200名以上の手術を行なっており、トラブルや合併症が起こった事例はありません。ノンインフレータブルタイプのプロステーシスを使用しており、感染、脱出、持続する痛みが無ければ90%以上が満足しています。

陰茎プロステーシス手術は銀座リプロ外科(永尾医師執刀)まで

繰り返しになりますが、陰茎プロステーシス手術を行うと、他のED治療を行う選択肢はなくなります。最後の治療法として知られ、手術後にトラブルが発生する事例もあるため、実績のある医師のもとで治療を行うことが大切です。 銀座リプロ外科は、東京・銀座にある男性不妊治療を中心にしたクリニックです。高度な技術を要する実績豊富な医師が手術を行いますのでご安心ください。 初診のご予約・お問い合わせは銀座リプロ外科の公式ホームページ(https://ginzarepro.jp/contact/appointment-first/)から受け付けております。陰茎プロステーシス手術を検討している方は、お気軽に銀座リプロ外科へご相談ください。
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