EDに悩まれている方の中には「何が原因なんだろう……」「どの治療法が良いのかわからない」「リスクはあるの?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
EDにはさまざまな原因があり、ひとりひとりの状態に合った適切な方法で治療を進める必要があります。ED治療薬では効果がない方の選択肢のひとつになっているのが陰茎海綿体注射(ICI)です。
今回は、はじめに陰茎海綿体注射とは何なのか解説し、EDの原因や他の治療法についてもお伝えします。最後に陰茎海綿体注射のメリットとデメリットも紹介しますので、治療を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
陰茎注射
陰茎海綿体注射とは、血管拡張薬を陰茎上側の陰茎海綿体に自己注射するED治療法です。ED治療薬や陰圧式勃起補助具でも効果がないときに行います。注入する血管拡張薬と注射方法について解説していきます。
世界的で使用されているプロスタグランジンE1注射
これまでの治療では、以下のような血管拡張薬が使われてきました。
- プロスタグランジンE1
- パパベリン
なかでも有効といわれているのがプロスタグランジンE1で、海綿体の線維化が少ない薬剤といわれています。反対に、従来使われていたパパベリンは海綿体の線維化や持続勃起症を起こしやすいです。ED治療薬や陰圧式勃起補助具で効果がない場合は、プロスタグランジンE1を注射する方法が検討されます。
世界中で治療に使われていますが、日本では認可されていません。よって、自己責任で行う治療となります。
注射の使い方
注射は以下の順序で行います。
①陰茎の横を消毒綿で拭く。
②片方の手で陰茎を伸ばし、もう片方の手で注射器を持つ。
③血管のないところに横から根元まで針を刺す。
④ゆっくりと薬を注射する。
⑤すべて注射したら針を刺したところを血が止まるまで30秒間押さえる。
「自分でできるのか不安……」と思う方もいると思いますが、医師による指導があるため正しい使い方を理解できるでしょう。
EDの原因と治療の種類
ここからは、EDの原因と陰茎海綿体注射以外の治療法について解説します。
EDの原因
EDの原因はさまざまですが、大きく4つに分けられています。
①ストレス
②神経・血管の障害
③医薬品の副作用
④複数の要因が絡んでいる
それぞれの詳細を解説していきます。
原因①ストレス
ストレスがEDの原因になっているケースは珍しくありません。ストレスが原因のEDは20〜30代の男性に起こりやすいです。ストレスの大きさは関係なく、性行為のトラウマや日常的なストレス、うつ病などが原因で発症します。
基本的にはED治療薬を服用しますが、場合によってはカウンセリングなどの精神療法を併せて行うと効果的です。EDの悩みを一人で抱え込んでいる場合は、パートナーに相談し2人で協力することも大切です。
原因②神経・血管の損傷・障害
神経や血管の損傷・障害もEDの原因になります。加齢による動脈硬化が原因となるケースが多く、50代以降の男性に起こりやすいです。
他にも糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病や脂質異常症などが原因となるでしょう。神経関連では、脳出血や脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病などが原因となって発症します。
神経・血管が原因の場合も、基本的にはED治療薬を服用しますが、他の病気がある場合は医師への相談が必要です。
原因③医薬品の副作用
医薬品の副作用がEDの原因になる可能性もあります。医薬品が原因のため、年齢に関係なく発症します。「薬を飲み始めてからEDの症状が出た気がする……」と感じた場合は、医師に相談しましょう。
抗うつ薬や精神安定剤、睡眠薬、降圧剤などを服用していると副作用でEDの症状が出ることがあります。
原因④複数の原因が絡んでいる
EDは、ストレス、神経・血管の損傷・障害、医薬品の副作用によって生じますが、必ずしもどれかひとつだけが原因となっているわけではありません。複数の要素が原因となっているケースは多いです。
たとえば、医薬品の副作用とストレスの2つが原因となっていることもあります。「服用していた薬の副作用でたまたま性行為がうまくいかなかったときにパートナーから否定的な言葉をかけられた」という経験がトラウマになることもあります。複数の複雑な要素が絡み合ってEDになるケースは多いので、あらゆる角度から探って正しい治療を行うことが大切です。
ED治療の種類
基本的にはED治療薬を使用しますが、薬が効かない場合は、陰圧式勃起補助具やプロスタグランジンE1の陰茎海綿体注射を検討しましょう。どの治療法でも効果が出ない場合、最後に検討されるのが陰茎プロステーシス手術です。
ここからは、陰茎海綿体注射以外のEDの治療法について解説いたします。
ED治療①ED治療薬
日本で安心して服用できるED治療薬は以下3つです。
- バイアグラ
- レビトラ
- シアリス
ED治療薬が効かない場合、考えられる原因には以下のようなものがあります。
- 内服の時間が適切ではなかった
- 食事後に内服していた
- 内服したが性的刺激がなかった
- 飲酒していた
- 薬の副作用があった
- 容量が少ない
「薬が効かない……」と悩んでいる方は、まず使用方法をもう1度確認し、正しい使用方法で服用してみましょう。
ED治療②陰圧式勃起補助具
陰圧式勃起補助具とは、陰茎に空気圧をかけて血液を送り込み、勃起を持続させる医療機器です。厚生労働省から管理医療機器として認可を受けています。
以下の順序で使いましょう。
①陰茎を筒状のプラスチック容器の中に入れる。
②付属のポンプを使って筒の中に陰圧をかける。
③陰茎基部にゴムバンドを巻いて血液を滞留させる。
血液を滞留させることで勃起状態が持続する仕組みになっています。医薬品の副作用が気になる方や気軽に治療したい方におすすめの治療法です。
使用すると高確率で性行為が可能ですが、痛みを感じるなど軽度の副作用があります。また、出血性素因、白血病、多発性骨髄腫、鎌状赤血球貧血の方は使用が禁止されているためご注意ください。
ED治療③陰茎プロステーシス
陰茎プロステーシスとは、プロステーシスという棒状のインプラントを陰茎海綿体の中に移植する手術です。曲げ伸ばして使うタイプとポンプで水を移動させるタイプの2種類の方法があります。他のED治療では効果がないときに行われる最終選択肢の治療法です。1度手術を行うと他の治療ができないため、慎重に検討しましょう。
また、保険適用がなく経済的な負担も大きい治療法です。手術後の感染リスクもあるため、実績のある医療機関選びが重要といえます。
陰茎海綿体注射のメリット・デメリット
ここからは、陰茎海綿体注射のメリットとデメリットについて解説します。
メリット
陰茎海綿体注射は以下のような方におすすめの治療法です。
- ED治療薬を試したが効かない方
- 前立腺がんの手術後にEDになった方
- 糖尿病が原因でEDになった方
持病などでED治療薬が服用できず諦めていたという方でも、性生活を楽しめるようになります。
デメリット
デメリットは以下3つです。
- 保険が適用されない
- 持続勃起症のリスクがある
- 注射器などは一般ごみに捨てられない
それぞれの詳細を解説します。
デメリット①保険が適用されない
陰茎海綿体注射は日本では認可されていない治療です。自己責任で行う治療のため、保険適用はできません。医療機関によりますが、一般的に1本おそよ5,000~10,000円ほどかかります。継続して使用する場合はコストがかかることを理解しておくと良いでしょう。
デメリット②持続勃起症のリスクがある
稀に持続勃起症を引き起こすことがあります。持続勃起症とは、痛みを伴うパンパンな状態の勃起が4時間連続しているケースのことです。血流が止まって陰茎海綿体の中に酸素が供給されなくなり、陰茎海綿体組織が破壊されている状態になります。持続勃起症になったら医療機関で緊急措置が必要ですので、注射を打つときは、医師に指導された適切な量で使用するようにしましょう。
デメリット③一般ごみに捨てられない
自己注射後は、薬剤が入っていた容器と注射器のごみが出てくると思いますが、これらのごみは一般ごみとして廃棄してはいけません。密閉できるケースに保管して治療を受けている医療機関へ持っていき、廃棄してもらいましょう。
陰茎海綿体注射に関するよくある質問
ここからは、陰茎海綿体注射に関するよくある質問にお答えします。治療を検討する参考にされてみてください。
パパベリンという血管拡張薬を使っていた従来の治療では、持続性勃起症や陰茎海綿体線維化症などがありましたが、現在使用されているプロスタグランジンE1は副作用が少ないです。必ず症状が現れるわけではないですが、たとえば以下のような副作用があります。
陰茎痛50%
持続勃起症(4時間以上)6%
海綿体線維化2%
不整脈・めまい・顔面紅潮など1%
副作用ではないですが、陰茎痛や不自然さによって脱落する方も多いです。持続勃起症など以上が現れた際は、すぐに医療機関を受診しましょう。
刺したときにチクッとした痛みがありますが、感じ方には個人差があります。注射針は極細の針を使用しますのでご安心ください。
難しくはなく、医師の指導によって自己注射が可能です。適切なやり方を理解し、実施していきましょう。
陰茎海綿体注射は銀座リプロ外科まで
銀座リプロ外科は、東京・銀座にある男性不妊治療を中心にしたクリニックです。高度な技術を持った実績豊富な医師が手術を行いますのでご安心ください。
初診
5,500円
検査
11,000円(初回のみ)
検査用薬剤
5,500円(初回のみ)
処方(1回分)
5,500円