尿道下裂術後の尿道内発毛に対する顕微鏡下毛根切除術

尿道内発毛とはなんですか?

小児期尿道下裂手術の時、包皮で尿道を作成しますが、包皮が不足し陰茎基部や陰嚢皮膚を用いて手術が行われたと考えられ、大人になって尿道から発毛した状態です。
尿道内発毛は問題ですか?
発毛の他に、排尿痛、射精痛、血尿、血精液症、尿路感染などを引き起こすことがあります。
尿道内発毛を手で抜いて問題ありますか?
問題と感じなければ経過観察でもよいと思われます。しかし。再発を繰り返し問題があるようなら根本的な治療をお薦めします。

尿道内発毛の検査はありますか?

外来で尿道鏡を使い発毛部位を観察します。尿道奥に狭窄がある場合は、尿流検査、尿道造影検査も必要です。

尿道内発毛に対する治療にはどのようなものがありますか?

手術で尿道を開いて脱毛針で毛根を焼く方法と陰毛の生えた尿道を切除して口腔粘膜移植などで置き換える方法があります。毛根を焼く方法では、毛根の深さや方向が一定でなく確実に毛根を焼くのが困難である程度の再発が避けられません。陰毛の生えた尿道を切除し新しい組織で置き換えるには、複数回の手術が必要です。
我々の考案した顕微鏡下尿道内毛根切除術では、再発を予防でき一度の手術で改善しています。

顕微鏡下尿道内毛根切除術とはどんな手術ですか?

発毛している尿道を開いて、顕微鏡下に毛根を見ながら切除する方法です。毛根の深さや方向がそれぞれ異なりますので、顕微鏡手術が必要になります。

入院が必要ですか?

全身麻酔で手術を行いますので入院が必要です。また、尿道を切開するので尿道カテーテルを1週間くらい入れておく必要があります。

術後の検査はありますか?

尿をためて外来で器械に排尿してもらう尿流測定と半年後に尿道鏡検査を外来で行います。
尿道の位置や陰茎の変形も同時に治療できますか?
当科では性機能や尿道下裂の修正手術を専門の一つにしています。同時に修正していますが、状況により一度にできない場合もあります。

顕微鏡下尿道内毛根切除術は保険が使えますか?

我々は尿道の形成手術の一部と考えています。保険で診療しています。